ビジネスに利用される質問応答AI

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投稿日: 2021/09/25 13:58:51

著者: 代表取締役CEO 木村 優志

質問応答AIとは

質問応答AIは、文字通りユーザーの質問に対して適切な答えを返すAIシステムです。Question Answering (QA)とも呼ばれます。

ディープラーニングをもちいた質問応答Aでは、質問文とその答えのペアを学習させます。

トランスフォーマー(Transformer)や、自己教示学習(Self Taught Training)と呼ばれる新しい技術によって精度が大きく向上しました。

チャットボットと似ていますが、チャットボットは予め用意したシナリオに対して応答するものです。多岐にわたる質問に答える質問応答システムとは別のものです。

質問応答AIの種類

質問応答AIには、ファクトイド型とノンファクトイド型の2種類があります。ファクトイド型は質問に単語で回答するもの、ノンファクトイド型は質問に文章で回答するものです。現在、ビジネ1スで多く利用されるのはノンファクトイド型です。文章で回答すると言っても、回答文は予め用意したものから選択するものがほとんどです。

将来的に、回答文を生成するような質問応答AIのビジネス応用が進むと思われます。これは、Google Duplexのようなものをイメージするとわかりやすいともいます。

トランスフォーマーと自己教示学習

トランスフォーマー(Transformer)の登場によって、自然言語処理(NLP: Natural Language Processing)AIの性能は飛躍的に向上しました。自然言語処理とは、我々が日常用いいている言語をそのまま処理する技術のことです。

トランスフォーマーの利点は自己教示学習が行えることです。これまでのディープラーニングで、質問応答システムを作成するためには、膨大な質問応答ペアが必要でした。答えに対応する質問文のバリエーションっを大量に作成するのは骨の折れる作業です。

自己教示学習を用いると、必要な質問応答ペアの量が少なくなります。自尾己教示学習では、予め大量の文章を学習させます。この大量の文章には、対応する答え文章が必要ありません。よく利用されるのは、Wikipediaの文書です。Wikipediaの文章は、著作権フリーなため、商用利用も問題ありません。自己教示学習をおこなうと、言語のゆらぎをある程度覚えることができため、必要な質問文のバリエーションが少なくなります。

質問応答AIのビジネス適用

質問応答AIの適用分野は次の3つが挙げられます。

  1. コールセンター
  2. ヘルプデスク
  3. サポートセンター

コールセンターでの質問応答AI

顧客からの質問にオペレーターが回答する際に利用するものです。基本的には、顧客からの質問から、答えの候補をAIが提示し、それをオペレータが選択するシステムがおおいとおもいます。AIの応答の1位を自動的に返答するシステムも考えられます。

一方で、Google Contact Center のように、質問から応答まで自動で行う鵜システムもあります。これは応答のシナリオを準備し、そこから応答を選択するものです。質問応答システムとは似た別の技術です。

ヘルプデスクでの質問応答AI

  企業のバックオフィス部門では、多くの時間を従業員からの質問対応に時間を取られています。経費の精算方法や特殊な休暇の申請方法など多岐にわたります。そこでこの質問応答をある程度AIに代替させます。

サポートセンターでの質問応答AI

製品の故障対応をするサポートセンターでは、コールセンターと同じように質問応答AIシステムが活躍できます。故障した製品を修理する場合でも、大型の製品や据え置き型の製品ではそう簡単に郵送もできません。サービスエンジニアの訪問修理となる場合も多いです。その時、ユーザーの故障状況の説明から故障内容を推測するために質問応答システムが利用できます。ユーザーの故障内容の説明を質問、実際の故障内容を答えとみなして質問応答システムを学習すればよいのです。